日立パディスコ3000 整備　動作品

日立のパディスコラジオについては此方でパディスコ1000と2000を数台扱ったと記憶します。 中学時代の小生の憧れはこの3000でした。その頃はソニーのスカイセンサー5500が手元に有り、このパディスコは2台目としてどうしても欲しかった一台でした。 パディスコのステレオラジオはラジオ界ではマイナー乍ら技術の日立のラジオとして先進性はソニーやナショナル以上のものがあったと思います。この3000は前2モデルの欠点であったデザインの弱さを克服した魅力的と言って良いデザイン、10cmウーファーと4cm？ツィータの2ウェイ、ステレオヘッドホンを直接繋げるヘッドフォン端子、本格的なワイヤレス拡声器機能、勿論もう一台のラジオに電波を飛ばしてのステレオ再生機能と当時の最先端を行っていたと思います。然し時代はBCLラジオ全盛時であり、如何に良い設計と造りのラジオであっても販売面では苦しかったのでしょう。今日日実物を目にする事は稀で、増してや発売された当時小生のいた秋田の田舎ではカタログは見た事はあっても実物には遂にお目にかかれなかった幻の一台でもあります。 発売当時人気の無かったモデルは今の幻の名機であるとの何方かのコメント通り、現在このモデルの完品とされている物の価格は目を剥きます。楽天では8万円弱と言うレベル、アマゾンでも4万円台とすごいものです。誰が買うんだろう。 左様に貴重で特殊なモデルでは有りますが、希少価値を度外視してもこのモデルは魅力的です。 日立パディスコラジオの中では抜きん出て魅力的なデザインでダイヤルやメーターの視認性も良いし、トップパネルに纏められたスイッチ類の操作性も良好。 音は割と貧弱な磁気回路のスピーカーの割にはバランスが良く、ツィーターも良い仕事をしていて悪く有りません。パディスコラジオの中では勿論1番です。 この個体はダイヤルスケール、メーターが動かないジャンクを入手。他にもトップパネルに割れが有りました。 整備、修理結果、ダイヤルスケールは動き、メーターも正常、3バンド良好に受信します。但しダイヤルのズレが相当に大きく、修正出来ませんでした。測定器はありませんが、他機との比較で感度、音質は水準以上と思います。 ダイヤルライトが点灯しませんが、修理困難です。電池、オリジナルアダプタ付き。 ワイヤレスマイクは別売です。そうそう、電池蓋は自作です。